住宅設備・建材卸売業のように、受注・見積・請求が別々のツールに分断していると、在庫引当ミスや請求漏れが起きやすくなります。それらの課題を解決するのが、販売管理システムです。
販売管理システムは、受注・在庫・出荷・請求・与信管理といった基幹業務を横断的に扱うため、業種や取引先との商習慣によって必要な機能が大きく異なります。一般的な相場情報だけでは自社の費用感をつかみにくいため、実際の相談内容に基づいた見積もり事例を確認することが、予算策定の第一歩になります。
※本記事はAI見積もりサービスに寄せられた事例の内容を一部改変して、解説記事として提供しているものです。
今回の事例は、住宅設備・建材の卸売業を運営する企業からの相談です。最初の相談は以下のような自然文で入力されました。
住宅設備・建材の卸売業を営んでおり、全国5拠点の営業所から工務店様など約500社に商品を販売しています。現在、受注はExcel、見積は別のソフト、請求は紙の伝票で管理しており、情報がバラバラになっています。在庫の引き当てミスや、請求の漏れが度々発生していて困っています。
受注から出荷、請求、与信管理までを一つのシステムで一元管理できるようにしたいです。営業担当は約30名おり、外出先からスマートフォンで状況を確認できるようにしたいと考えています。現在使っている会計システムとの連携も必要です。また、値引きをする際に上長の承認を得られる仕組みも欲しいです。
この相談をもとにチャット形式でヒアリングを重ね、以下の要件が確定しました。
【確定した主な要件】※AI見積もりツールが機能単位に整理したもの
・営業担当者/営業所事務担当者/承認者・管理者のログイン、権限管理
・得意先(工務店)情報、商品・単価・在庫マスタの管理
・営業担当者向けスマートフォン対応ダッシュボード
・見積作成、受注登録、在庫の引当・不足警告
・出荷指示・出荷実績の管理
・請求データ・請求書の作成、請求状況管理
・得意先ごとの与信枠・残高管理、与信超過警告
・値引き申請・承認フロー
・弥生会計との連携
・拠点別・担当者別の実績集計
・技術スタック:クラウド AWS / フロントエンド NextJS(TypeScript) / バックエンド NestJS(TypeScript)
AI見積もりツールによる算出結果は以下のとおりです。開発期間はおよそ4.4〜6か月、体制はPM/PLを含め6.5名規模を想定しています。総額は約2,479万円〜3,306万円のレンジとなっており、要件の絞り込み方次第で費用は変動します。以下の内訳を踏まえ、自社に必要な機能を検討する材料としてご活用ください。
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項目 |
最小 |
最大 |
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総費用 |
2,479万円 |
3,306万円 |
|
開発期間 |
4.4ヶ月 |
6ヶ月 |
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体制規模 |
PM/PL1名+フロント2名+バックエンド2.5名+クラウド1名 |
同左 |
費用の内訳を機能区分ごとに集約すると、以下のようになります。
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費用区分 |
最小 |
最大 |
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機能開発 |
990万円 |
1,322万円 |
|
うち:見積作成・見積履歴管理 |
75万円 |
100万円 |
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うち:受注登録・受注状況管理 |
75万円 |
100万円 |
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うち:在庫の引当・在庫不足の警告 |
75万円 |
100万円 |
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うち:請求データ・請求書の作成および請求状況管理 |
75万円 |
100万円 |
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うち:得意先ごとの与信枠・残高・与信超過警告の管理 |
75万円 |
100万円 |
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アプリ画面開発 |
504万円 |
672万円 |
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クラウド構築・非機能要件 |
377万円 |
503万円 |
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外部サービス連携(弥生会計) |
45万円 |
60万円 |
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テスト整備 |
144万円 |
192万円 |
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管理業務 |
413万円 |
551万円 |
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合計 |
2,479万円 |
3,306万円 |
受注・見積・在庫引当・請求・与信管理などの「機能開発」が最も大きな比重を占め、次いでアプリ画面開発、クラウド構築・非機能要件開発が続きます。特に与信管理や値引き承認フローのような判断ロジックを伴う機能は、単純な登録・参照機能と比べて設計・実装の工数が大きくなる傾向があります。
同じ「販売管理システム」という括りでも、業種特性や運用ルールによって必要な機能の複雑さは大きく異なります。自社で見積もりを取る前に、以下の4つの観点を確認しておくと、費用のブレを事前に把握しやすくなります。
①与信管理・承認フローの複雑さ
与信枠の自動判定や多段階の値引き承認フローを組み込むほど、機能開発の難易度が上がり費用が増加します。承認者の役職に応じて承認ルートを分岐させたり、与信超過時の警告条件を細かく設定したりする場合は、それだけロジックが複雑になり、開発工数も比例して増加します。
②拠点数・得意先数の規模
営業所の拠点数や得意先マスタの件数が増えるほど、マスタ管理・データ整合まわりの開発工数が増加します。拠点ごとに異なる価格体系や在庫を個別管理する必要がある場合は、その分だけ機能要件が増え、費用に反映されます。
③会計システムとの連携範囲
連携先の会計システムや連携するデータ項目が増えるほど、外部サービスインテグレーションの費用が上がります。仕訳データの自動生成の有無や連携先システムのAPI仕様によっても工数は変動するため、早い段階で連携要件を明確にしておくことが重要です。
④非機能要件のレベル
スマートフォンからのアクセス集中や可用性要件が高いほど、クラウド構築・非機能要件開発の費用が増加します。特に営業担当者が外出先から同時アクセスする想定人数や、システム障害時に許容できるダウンタイムによって、必要なインフラ構成とその費用は大きく変わります。
販売管理領域には既製のSaaS・パッケージ製品も存在します。既製ツールは初期費用を抑えられる一方、自社独自の商習慣に合わせたカスタマイズには限界があります。導入前に、自社の業務フローがどこまで標準機能でカバーできるかを見極めたうえで、以下の基準で選択することをおすすめします。
■初期費用
SaaS・パッケージは低い(月額課金が中心)、スクラッチ開発は高い(2,000万円台〜が目安)。ただし長期的に見ると、カスタマイズ費用や複数ツールの連携コストが積み重なり、総保有コストが逆転するケースもあります。
■自社業務への適合度
SaaS・パッケージは標準機能の範囲に限定される、スクラッチ開発は与信管理・値引き承認など個別要件に対応可能。自社の商習慣が一般的な範囲から外れるほど、スクラッチ開発の優位性が高まります。
■既存システム連携
SaaS・パッケージは対応可否がベンダー次第、スクラッチ開発はPOS・会員管理システム等と柔軟に連携できる。連携用のAPIが用意されていないベンダーの場合、SaaS側での対応が難しいことがあります。
■拡張・改修の自由度
SaaS・パッケージはベンダーのロードマップに依存、スクラッチ開発は自社の判断で機能追加・改修が可能。将来的な事業拡大や業務フローの変更を見込む場合は、拡張性も比較の軸に加えるべきです。
■向いているケース
SaaS・パッケージは標準的な販売管理でまず小さく始めたい場合、スクラッチ開発は独自の与信・承認ルールや複数拠点の一元管理が必要な場合。まずSaaSで運用を検証し、その後スクラッチ開発に移行するという進め方も選択肢になります。
受注から出荷・請求・与信管理までを一元化する販売管理システムをスクラッチ開発する場合、費用は概ね2,479万〜3,306万円、開発期間は4.4〜6ヶ月が目安となります。
費用の大部分は「機能開発(受注・見積・在庫引当・請求・与信管理等)」と「アプリ画面開発」が占めるため、要件の絞り込みが費用最適化の鍵になります。
会計システムとの連携範囲や承認フローの複雑さによって金額は変動するため、自社のケースでの概算費用を把握したい場合は、個別に見積もりを取ることをおすすめします。
システム化を検討する際は、まず現状の業務フローを洗い出し、どの機能を優先的にシステム化するかを整理しておくことが、費用対効果の高い開発につながります。
deeptierでは、AIを活用した無料の開発費用見積もりツール「AI見積もり」を提供しています。相談内容を自然文で入力するだけで、費用内訳と開発期間の目安を確認できます。
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無料かつ自然文で相談できますのでお気軽にお試しください。
※本記事の見積もりデータは2026年8月時点でのAI見積もりツールによる算出値です。実際の開発費用は要件定義の内容・仕様変更・ベンダー選定等により変動します。
記事/構成:deeptier マーケティングチーム
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