Salesforceをやめてスクラッチ開発に移行した場合の費用は?AI見積もりの実案件データで解説

2026.07.13

Salesforceのライセンスコストが年々上がっている、または現場から「使いにくい」という声が多い——そういった理由でSalesforceをやめて自社開発のWebシステムに移行することを検討する企業が増えています。

しかし「実際スクラッチで作るといくらかかるのか」という情報は、あまり公開されていません。本記事では、deeptierのAI見積もりサービスに実際に寄せられた相談をもとに、Salesforce(Enterprise)200名利用からスクラッチ開発への移行事例の見積データを公開します。

※本記事はAI見積もりサービスに寄せられた事例の内容を一部改変して、解説記事として提供しているものです。

Salesforceからスクラッチ開発への移行相談の内容

今回の事例は、SFA/CRMとしてSalesforce Enterpriseを使っている営業組織からの相談です。実際の相談は以下のような自然文で入力されました。

「現在Salesforce EnterpriseをSFA/CRMとして200名で利用しています。ライセンスコストが高く、また現場からも使いにくいという声が多いため、自社開発のWebアプリへの移行を検討しています。


必要な機能としては、顧客・商談の管理、営業担当者の活動ログ記録、マネージャーが進捗を確認できるパイプライン画面、売上予測のレポートあたりです。GmailとのメールログもSalesforceで取り込んでいるので、それも引き続きできるようにしたいと思っています。


現在Salesforceに入っているデータは、必要なものだけCSVで移行できれば十分です。社内はGoogle Workspaceを使っているので、ログインはGoogle SSOにしたいです。」

この相談をもとにチャット形式でヒアリングを重ね、以下の要件が確定しました。

【確定した主な要件】※AI見積もりツールが機能単位に整理したもの
・対象ユーザー: 営業担当・営業マネージャー・管理者の3ロール(計200名規模)
・顧客・取引先管理(一覧/詳細/作成/編集/検索・フィルタ)
・商談管理(ステータス/金額/確度/クローズ予定日)
・営業活動ログ(訪問/電話の手動登録、一覧/詳細)
・Gmail履歴取り込み→活動ログ自動化
・マネージャー向けパイプライン/進捗確認画面(担当者別・ステータス別集計)
・売上予測レポート/ダッシュボード(期間・担当者で集計)
・役職別権限管理・マスタ設定
・CSV初期データ移行(顧客/商談/活動ログ)
・外部連携: Gmail / Google Workspace SSO
・技術スタック: AWS / Next.js+TypeScript / NestJS+TypeScript

 

Salesforce代替システムのスクラッチ開発費用は3,175万〜4,233万円

総開発費用は税抜きで約3,175万〜4,233万円、開発期間は5.4〜7.2ヶ月という結果です。なお、このデータはdeeptierのAI見積もりツールが機能単位で算出したものであり、実際の発注時には要件定義の精度や仕様変更によって変動します。

項目

最小

最大

総開発費用(税抜)

3,175万円

4,233万円

開発期間

5.4ヶ月

7.2ヶ月

体制

PM/PL 1名、フロント2名、バックエンド2.5名、クラウド1名

同左

 

開発費用を大きな区分でまとめると以下のとおりです。個別の機能単価を積み上げた結果が各区分に反映されています。

費用区分

最小費用

最大費用

機能開発(各画面・機能の実装)

1,170万円

1,560万円

 うち: ログイン・権限・マスタ管理

375万円

500万円

 うち: 顧客/商談/活動ログ/パイプライン/レポート

450万円

600万円

 うち: Gmail連携・データ移行・外部サービス連携

348万円

462万円

アプリ画面開発(UI設計・フロント実装)

755万円

1,007万円

クラウド構築・非機能要件(AWS環境・セキュリティ等)

540万円

720万円

テスト整備(バックエンド自動テスト)

108万円

144万円

管理業務(PM・QA・ドキュメント・リリース管理等)

529万円

705万円

合計(税抜)

3,175万円

4,233万円

 

費用の主な部分は「アプリ画面開発」「管理業務」「クラウド構築」の3項目で、合計で全体の約60%を占めます。機能1つあたりの単価は72〜108万円ですが、これらの固定的な基盤コストが全体規模を決める構造です。

Salesforceでは標準機能として提供されているGmailとの連携(メール履歴取り込み→活動ログ化)も、スクラッチ開発では個別実装になります。今回の見積もりではこの機能だけで108〜144万円が発生しており、「Salesforceの標準機能を自前で再現するコスト」の典型例です。

Salesforceで便利に使っている機能をどこまで再現するかは、スクラッチ移行の費用を大きく左右します。移行前に「本当に必要な機能」を絞り込む作業が費用コントロールの鍵です。

 

Salesforce継続とスクラッチ開発移行の長期コスト比較

スクラッチ移行の経済合理性は「初期開発費 vs 年間ライセンス削減額」で判断します。

比較項目

Salesforce Enterprise継続

スクラッチ開発に移行

初期コスト

基本0円(設定費用のみ)

3,175〜4,233万円(開発費)

年間ランニングコスト

ライセンス料(200名規模)

インフラ費のみ(月数万〜数十万円程度)

損益分岐の目安

年間削減額÷初期費用で計算(下記参照)

カスタマイズ自由度

Salesforceの制約内

自社要件を完全反映可能

保守・改修コスト

Salesforceのバージョンに依存

自社でコントロール可能

Salesforce Enterprise(Sales Cloud)の単価は1ユーザーあたり月額21,000円とし、200名で利用した場合の年間ライセンスコストは概算で約5,040万円になります。

今回の開発費用(最大4,233万円)を年間削減額(仮に4,000万円規模)で割ると、回収期間は1年強という計算になります。ただし実際にはSalesforceのエディションや値引き交渉、保守費用、移行コストなど変数が多く、この数字はあくまで試算の参考値です。

「どの機能をSalesforceに依存しているか」を棚卸しせずに移行を進めると、想定外の追加開発が発生します。移行前の機能棚卸しが、費用予測の精度を大きく左右します。

 

スクラッチ開発の費用を左右する4つのポイント

では、Salesforceのスクラッチ開発コストを抑えるにはどうすればよいのでしょうか?以下の4つが主なポイントとなります。

① 再現する機能の範囲
今回の事例では「Salesforceで実際に使っている機能に絞る」という方針で要件を整理しています。高度なレポート・ダッシュボードやAI予測機能をすべて自前で再現しようとすると、費用は多きく増加します。

② 外部連携の数
Gmail連携とGoogle SSOで追加費用が発生しています。AppExchange連携を複数利用している場合、それぞれの代替実装コストが積み上がります。連携先の数と複雑さが費用に直結します。

③ データ移行の規模
今回は「必要なものだけCSVで」という少量移行前提のため、移行コストは抑えられています。Salesforceの全履歴データを移行する場合は、別途数百万円単位の費用が発生する可能性があります。

④ 要件定義の完成度
本見積もりは「要件整理済み・基本設計開始可能」を前提としています。要件定義から委託する場合は別途費用が発生します。

 

まとめ:Salesforceからスクラッチ開発への移行は、機能の棚卸しが重要

今回の事例では、Salesforce Enterpriseを200名規模で利用している企業が、SFA/CRMをスクラッチ開発で代替する場合の費用は、次のような結果になりました。

•    初期開発費用: 3,175〜4,233万円(税抜)
•    開発期間: 5.4〜7.2ヶ月
•    体制: 6〜7名規模(PM/PL・フロント2名・バックエンド2.5名・クラウド1名)
•    損益分岐: ライセンス規模次第で1〜4年程度が目安

スクラッチ移行のコストメリットは「年間ライセンス削減額が大きい」かつ「必要機能を絞り込める」ケースで最大化します。「Salesforceの全機能を自前で再現する」ことを目的にすると費用が青天井になるため、移行前の機能棚卸しと優先度整理が最重要の事前作業です。

 

自社の要件で費用を確認したい方へ

deeptierでは、AIを活用した無料の開発費用見積もりツール「AI見積もり」を提供しています。相談内容を自然文で入力するだけで、費用内訳と開発期間の目安を確認できます。

https://deeptier.co.jp/ja/ai-mitsumori

無料かつ自然文で相談できますのでお気軽にお試しください。



※本記事の見積もりデータは2026年6月時点のAI見積もりツールによる算出値です。実際の開発費用は要件定義の内容・仕様変更・ベンダー選定等により変動します。
Salesforceのライセンス費用は公開情報をもとにした参考値であり、実際の契約条件によって異なります。

記事/構成:deeptier マーケティングチーム

 

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